学習塾の先生が考える小学校英語

先日、久しぶりに自分の母校、西宮市立高木小学校のホームページを見ていました。

そこには、1年生~6年生までの「家庭学習」の見出し。

コロナ対策の一環で休校期間中、家庭での各教科の学習課題の一覧です。

そこで目を引いたのが、教科「外国語」の

「課題」のところに「教科書」の文字

そして「取り組み方」としてページ数の指示。

今年、2020年から学習指導要領が改訂され、小学5・6年生から英語が正式に「教科」になったことは、あらかじめ知っていたこと。

それでも改めて「教科書」の文字を見ると考え込んでしまったこと

そのことを今日はお話します。

去年までの5・6年生がやっていたのは2011年から実施された学習指導要領。

そこでは年間35時間分の「外国語活動」が必修化されていました。

ここで、その「必修」と今回の「教科」の違いを見てみましょう。

必修・・・教科書がなく、学習内容・教材は学校(教員)が独自に決められる。成績はつかない。

教科・・・文科省検定合格の教科書を使って授業を行い、テストによって通知表に数値による成績がつく。

今回の学習指導要領改訂では、3・4年生に外国語活動が「必修」となっています。

つまり、昨年までの5・6年が「必修」だったモノが2年前倒し、5・6年は「教科」に格上げになったわけです。

何気にとても大きな改訂です。

これまでは、良くも悪くも必修の外国語活動。

中学に向け、少しでも英語に慣れておこうというスタンス。

そこではマジメに頑張った生徒、あまり頑張れなかった生徒。

たまたま自分の学校の先生が指導力があったとかなかったとか。

授業準備をしっかりと、してくれたとかしてくれなったとか。

色々あっても結局のところ、中学生になったらゼロからの再スタート。

小学校から中学校へのつなぎ方も、あまり意識する必要がないかな、という感じ。

ただしそれは昨年まで。今年からはそうはいかない。

「教科」として位置づけられると、中学1年の英語は、小学校と直結している。

小学校での授業内容は習得出来ている前提で、中学の授業は進む。

中学校には、複数の小学校から入学してくる。

そうすると、小学校ごとの英語の授業への取り組みの格差が、モロに中学校で出る。

さらに問題は中学3年、高校受験を考えたとき。

そこでとんでもなく英語が苦手になってたりすると、文字通り「とんでもないことになる」。

これまでなら、中1に戻ってというとろ、これからは小5に戻ってということも出てくる。

そうなると2年分のところを、4年分をとり戻そうということになる。

これは、ほとんどムリ。

ここまできたところで、「高校受験」の成功に向けた受験勉強をどう指導するか。

それを考えるためにも、まず小学校の英語学習は、どう進めるべきか。

ここは、とても大事なところ。

そこで次回以降、「どう進めるべきか」について考えたところを何回かに分けて、学習法を含めて具体的にお話します。

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