量を質につなぐ意識
成績の悪い生徒が、テストの点数を上げるにはどうするか?
これはズバリ、勉強するしかありません。
残念ながら魔法のような方法はなく、これまで勉強してこなかったのなら、これから5時間でも10時間でも出来るようになるまで、勉強するしかないのです。
ところが!です。
同じだけの時間をかけた努力も、成果まで同じと限らないのが、勉強の難しいところ。
常に時間という量だけじゃなく、成果という質へつなげるという意識を持つ必要があります。
そこで今回は、テスト結果が“かけた時間の割には・・・”ってことにならないよう、科目の特性を生かした学習計画の立て方を、ご紹介します。
教科の特性から
学校で学ぶ教科は、教科の特性の面から大きく2つのグループに分けられます。
それが積上げ教科と積上げではない教科。
積上げ教科とは、前に習ったことを使って、新しいことを勉強する教科です。
具体的には
積上げ教科・・・・・・・・・英語・数学
積上げではない教科・・・国語・社会・理科
厳密に言うと国語、理科、社会にも積上げと考えられる部分が一部ありますが今回、テスト対策するさいの学習計画作成という面から考えるので、こういう分け方にしています。
次に積上げ、積上げでない両教科の特性を挙げてみます。
積上げ教科には
一度身につけてしまえば、しばらく触れていなくても、忘れることが少ないという特徴があります。例えばかけ算の九九。小学校のときに身につけていれば、、中学生になっても忘れてしまうというこはないと思います。
これは先の特性が働いたものです。
積上げ教科は、前に習ったことを使って新しいことを勉強します。つまり、他の単元を勉強している時でも、無意識にこれまでに学習した内容を使っていることが多いのです。
先ほど挙げた九九なんかが、その典型です。
中学生になっても、事あるごとに九九の計算は使っている。だから、忘れないんです。
これに対して、
積上げ教科でない教科はどうでしょう。
例えば、歴史の勉強をしていて、「江戸時代の学習でも鎌倉時代の時に覚えた知識がバンバン出てくるから長い間、鎌倉時代の知識に触れていなくても、忘れることがない」なんてことにはなりません。
理科でも同じです。
生物分野の内容が、物理分野でバンバン生かされるなんてことはありません。
結論です
科目の特性から考えて学習計画を立てる際、積上げ教科の学習をまず先行させる。これが一定レベルに仕上がってから、前後のつながりの薄い、積上げ教科でない教科の学習に特化する。
積上げ教科でない教科の国語、理科、社会は前後のつながりがうすいなかで暗記していくことの多い教科。
これは穴のあいたバケツに水を貯めようとしているようなもの。入れたそばから抜けていく。人間の脳も同じかと。(暗記のコツ)
その特徴から考えて、短く時間を割り振ったようなチマチマしたやり方では、学習効果をあげにくい。
抜けていく量を大きく上回るペースで暗記して、定着ラインへもって行かないと成果は上がらないのです。そのためには、まとまった時間をとって一気に進める必要があるんです。
学習計画を立てるとき、何となくバランス良くと適当に考えている生徒さん。
ぜひ一度、試してみてください。