伸び悩まないために
前回のブログ(短期で成績を上げやすい科目と上げにくい科目)参照の中で、英語は目に見えた成果や成長を実感するのに時間のかかる教科であるということを、お話しました。
これは間違いの無い事実です。
ただ、時間をかけた分だけしっかり成果が出るのか、必ずしもそうとは限らないのかは、別問題です。
ここで取り上げたいのは、英語の学習に成果を感じられるまでには時間がかかることを大前提にしながらも、時間をかける以上、常に成果を得ることを考えたいということです。
そこで今回、小学校の英語が「教科」となった今、中学校で伸び悩まないためにも、小学生の早い段階で、身に付けておきたい力についてお話します。
小学校の英語が「教科」となったことを受けて、各学年共にこれまでと比べると、学習内容が前倒しになっています。
そのために、求められる語彙数も格段に増え小学校の英語学習(単語・英語学習編)参照英語学習の負担は、ますます増していくことが予想されています。
このような状況のなかで、“これからはより一層早い段階から、語彙数を増やす努力をしなければならない”みたいな話しは、このところ、よく聞かれます。
ですが、その語彙数を増やす。言い換えれば単語を暗記するとき、先のために心がけて欲しいこと。
それは、単語の意味と共に品詞も覚えておくということです。
品詞とは、名詞・形容詞・副詞(簡単にでも良いので、それぞれの働きを理解することが大切なんです)といったもののこと。
英語が苦手な中学生を指導していて感じること。それは品詞に関する知識の圧倒的な不足です。
こんなこと言うと、“まーたそんな細かい話しを”とか、“そんなこと小学生や中学生に言っても英語嫌いにするだけ”っていう声がつぎつぎに上がってきておかしくないところ。
ところがです。
私たちが母国語である日本語を身につけたときとは、全く条件が違います。母国語でない英語を学ぶとなると、そこにはある程度の理屈(ルール)は必要なんです。
そのことを以下の例文で!
We often watch soccer games on TV.
私たちはよくテレビでサッカーの試合を見ます
often(よく)は副詞でwatch(見る)という動詞を説明している。(このように副詞は動詞を詳しく説明する働きがある。この場合は「よく見る」というふうに、頻度をあらわしている)。
この例文を見た生徒に「oftenって何?」と質問されたとします。
そこで意味を答えるだけでは弱い。そこにはしっかりした働きもあるし、ルール(基本的には頻度を表す副詞は一般動詞の前、be動詞の後に置く)もある。
ただ、それを説明するとなると、品詞に触れないわけにいかない。でも、目の前の生徒はそんな話、まるで理解してくれそうもない。
そうなると、“とりあえず、意味だけ答えとくか”ってことになるでしょう。
こんなやりとりで良いはずがない!。
正しい方向で努力
とりあえず意味だけを教えてもらった生徒。おそらくすぐに忘れます。しかもoftenの働きや、入れるべき位置の知識もないから、並べ替え問題ではむちゃくちゃな位置にその単語を放り込むことになります。
単語を覚えろと言うから暗記したのに、結果は散々。これじゃ、なけなしのヤル気も完全に無くなってしまうかも。
そんな状況になってから学習塾を検討する。あるいは、良さそうな参考書を買ってくる。けれど丁寧な塾や参考書の解説も、基礎的な知識不足のせいで、全くわからない。
なんてことになると冒頭で書いた通り、時間のかかる教科と言われるから時間をかけた。
でも、かけた割に成果はさっぱり。なんて負のスパイラルに陥る危険性大なんです。
負のスパイラルに陥らないために
英語学習の初期段階である小学生の時に、単語の意味だけを覚えるような学習の仕方は、あまりにもったいない。
「教科」となった今、小学生の英語学習はもはや、慣れるためだけのものではなくなっているのです。
ならば先々の学習にむけて、どれだけ活きてくる基礎作りが出来るか。その視点から学習内容を組み立てる。
英語学習が早期化している今だからこそ、それを大きくプラスに転化出来るかどうか。
そこに将来、かけた時間に見合う成果を手に出来る鍵があるはずです。
努力に見合う成果を!子供さんを正しい方向に導いてあげてください。