分数とは“何を分けた数か”

“分数を理解出来ていますか”

こんな聞き方をすると、“バカにするな!”と言われそうですが、そんな方にもう一つ質問です。

“では、何をもって分数を理解出来ていると判断しましたか”。

計算問題が解けるからでしょうか。

それとも分数を使った文章題が解けるからでしょうか。

いずれの理由にしても“それでは弱い”というのが、私自身の考えです。

計算問題や文章題の解き方を理解していることと、分数自体の仕組みが理解出来ているかどうかというのは、“別次元の話です”

では、“何をもって分数を理解している”と胸を張って言えるのか。

今回は“そのこと”についてお話します。

例えば!

分数を習い始めた頃、”1/2と2/4はイコールになる”といったことを教わると思います。

ここで”なぜ1/2と2/4がイコールになるのが”を言葉で説明出来るでしょうか。

ちなみに”2/4を約分すると1/2になるから”というのは、根本的な説明にはならないので、答えとはしません。

数字から状況をイメージ出来るか

1/2は、言葉で表現すると“2等分したうちの1つ”ということ。

つまり、全体の半分を意味します。

続いて2/4。

こちらも言葉で表現すると“4等分したうちの2つ”ということ。

つまり1/2と同様に全体の半分を意味しているのです。

これは“カステラやようかんが丸々1本あった時、それを何等分するか”という状況がイメージ出来れば、理解出来ると思います。

2つに分けたうちの1つも、4つに分けたうちの2つも“半分ずつに分けていることに変わりありません”

だから、“1/2と2/4はイコール”と言えるのです。

このように、数字から状況をイメージし、それを言葉で説明出来るかが、“本当に理解出来ているかどうかの大切なポイントになります”。

基本的なことほど“奥深い”

分数を“本当の意味で理解しているかどうか”は、以下のような問題でも試されます。

例)120gの水のうち、20%に当たる量は何gか。

苦手意識を持つ生徒が多い「割合」の問題です。

こういった問題を解くとき、“もとにする数”“比べられる数”と言った言葉が頭の中でごちゃごちゃになり、当てずっぽうのように問題を解いている生徒は驚くほど多い。

そんな生徒たちの“理解出来ない原因”を紐解くと、はるか昔に習っていた分数が“理解出来ていない”ことに行き着くのです。

この問題も結局は同じ

20%というのは百分率で、“100等分したうちの20”という意味です。

では今回の場合、何を100等分するのか。

120gの水しかありません。

ですから、この問題は言い換えると、“120gの水を100等分したうち、20個分にあたる量は何gですか”と聞かれているのと同じです。

分数の理解は、ここでも大きく影響してくることが分かります。

ちなみに、割合についてもう少し詳しく書いた記事(割合が苦手な子必見!)もあるので、割合に不安のある方は、ぜひ一度読んでみてください。

結論

基本的なことほど、知らぬ間に色々なところで顔を出してきます。

しかも厄介なことに、当人は理解出来ているつもりになっている。

だから、“今、やっていることが理解できないのは、過去に理解したつもりになっていたことが、実はわかっていなかったから”ということに、なかなか気づけません。

それだけに大切なことが1つあります。

勉強において、理解出来なくなったら“戻るべきところまで戻る”のは鉄則。

ですがもう少し踏み込んで、“戻って何をするのか”まで考えるようにしてください。

基本的なことに立ち返る時ほど、“根本の部分を理解する”ことに努めましょう!

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