現在形と現在進行形(英文法シリーズ②)

先週に引き続き、英文法シリーズの2回目になります。(今後も週に1回のペースで投稿予定です。)

2回目となる今回のテーマは、“現在形と現在進行形”です。

前回(be動詞と一般動詞(英文法シリーズ①)に引き続き“表現法を増やす”という視点から、この単元の指導をする際に“私が意識していること”についてお話します。

“現在形”という違和感

まず初めに、以下の例文を見てください。

例)I play the piano.(私はピアノを弾きます)

英語学習の初期段階で必ず目にするであろう、この手の例文。

あまりに初歩的すぎて、ついつい流されがちなところです。

でも、“ここでストップ!”

何か違和感がありませんか?

私はいつもこのタイミングで、生徒たちに“ある質問を投げかけます”

“これって今、弾いているの、弾いていないの?と”

現在形というからには、誰でも“今、現在の話”というイメージを持っているはず。

それが“弾きます”なんて言い方をされたら、“これ、いつの話?”って思うのが自然なんです。

どうでしょう、“確かに言われてみれば”という感じがしませんか?

この辺りで生徒たちの頭の中には、“?マークが飛び交っていることでしょう”

そのタイミングを見計らって、“現在形の働きについて、詳しく説明していきます”。

ここでも大切なのが、“知識の説明をする前に、生徒さん達に疑問を抱かせる”という事です。

現在形は、今現在のことを表さない!?

では、ここで現在形についての解説。

ズバリ言うと現在形は、“その人の現在の習慣”について話したい時に使われます。

つまり、特定の期間ではなく、ある程度長い期間にわたってやられている“習慣的な内容”を表現するということです。

これが、先ほどの“違和感の正体”です。

“ピアノを弾きます”というのは、毎日かどうかは分かりませんが、ある程度“習慣的にやっていること”を表現していたというわけです。

何と言うこともない話かもしれませんが、冒頭部分でいきなりこれを説明しておくのと、生徒たちに疑問を抱かせてからとでは、印象の残り方が“まったく変わります”

※ちなみに、know(知っている)などの状態動詞は、習慣ではなく今現在の“状態”を表すことができます。

でも、ここでさらなる“疑問が”

現在形の基本的な働きが分かったこのタイミングで、“勘の良い”生徒ならもう一つ、“さらなる疑問が浮かんでいるはずです”。

現在形が“今”のことを表さないのであれば、“たった今、やっている最中のことは、どうやって表現すれば良いの”ということです。

日常生活において、“たった今、~をしている最中”という場面は多々あります。

その表現法が“ないわけありません”

ピンポイントで“今”を表す

“今、その動作をしている最中”というのは、最初に習った現在形では表現出来ない部分です。

そんな時に使えるのが、“現在進行形”です。

その名の通り、“たった今、している最中の動作”を表現出来る文法です。

こんな風に、表現“出来ること”、“出来ないこと”という視点から順を追って見ていくと、現在形から現在進行形への流れもスムーズに理解出来るはずです。

結論

実際のところ、細かい知識の話を言い出せば、現在形や現在進行形にも“覚えるべきことがたくさんある”のは事実です。

しかし、“細かい知識に精通すること”と、“内容の大枠をいかに捉えさせるか”ということは、別問題です。

将来、たくさんのことを覚える必要があるのを分かっているからこそ、学習の初期段階での入り方が“非常に大切”。

“知識の押し売りにならない”ということ。

そして“いかにして生徒たちに将来に活きる良質な疑問を抱かせることが出来るか”ということ。

この二点を意識して、これからも“より良い教授法”を考え続けたいと思います。

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