“来年度、英語教育が大きく変わる”
既に周知のことかもしれませんが、来年度から中学校の授業は“原則すべて英語で行う”ことが決まっています。
公教育の場で、それぞれのレベルや到達目標を無視したこれらの取り組みは、“やや無謀ではないか”。
そう不安に感じるところも多々ありますが、決定されたことに対して、我々の立場であれやこれやと言ってみたところで、“何もはじまりません”。
決まった中で“いかにベストを尽くすか”。
これを考えていきましょう。
今回はその一つとして、英語が使えるようになるために必要となる“意外な力”についてお話します。
原因をどこに求めるか
“単語はけっこう覚えた”。
“文法問題も解けるようになった”。
しかし、いざ“英語で表現する”となると、まだ高い壁を感じてしまう。
こういった生徒は、結構たくさんいると思います。
けれど、問題はそこから。
あなたなら、その“原因”をどこに求めますか?
単語も文法も“それなりにやっている”ことを考えると、原因をつかむのは“以外に難しい”。
そんな方は、“こういった場面”に心当たりはありませんか!?
こんな時、どうするか
例えば、以下のような文を“英語に直せ”という問題があったとします。
例)私はどうも堅苦しい場は苦手である。
この文を見たとき、真っ先に目に飛び込んでくるのが、“堅苦しい”という単語だと思います。
“堅苦しいって英語でなんて言うんだろう”。
そう感じませんでしたか?。
これこそが、英語で表現する時に“壁を感じてしまう原因です”。
英語に直せない単語に出会うたびに止まっていては、いつまでも“英語を使う”ことは出来ません。
では、どうすればいいのか。
そんな時に求められるのが、母国語である“日本語の力”。
具体的には、英語に直しやすい日本語に“変換してしまう”ということです。
例えば、“堅苦しい”というのは、“形式的”とも考えられる。
すると、この“形式的”という言葉から、formalという単語をひっぱってくることが出来ます。
もちろん、formalという単語を覚えていることが前提になりますが、逆に言えば、せっかくformalという単語を覚えていても、“堅苦しい”という言葉で止まってしまうと結局“使えない”ということです。
英語力は“英語学習だけでは育たない”
このように、せっかく覚えた知識を使えるかどうかは、意外にも母国語である“日本語の力”によるところが大きいのです。
残念ながら、“単語を覚えた”と言っても、学生レベルで使う単語帳で、“すべてをカバーすることは出来ません”。
今ある手持ちの知識で表現するには、どう言い換えたらいいのか。
内容が変わってしまわない範囲であれば、それは“かまわないこと”ですし、むしろ“そうあるべきこと”です。
そのためにも、母国語である日本語の大切さを絶えず忘れてはいけません。
結論
“使える英語を身に付けるには”。
この手の話になると、どうしても英語自体の学び方ばかりに目がいきがちになります。
ですが今回、お話しさせていただいたことからも分かる通り、日本語力の低い人が英語力だけ“ガンガン伸びる”なんてことは考えられません。
“使える英語”を身に付けるには、どうすれば良いのか。
これからも考え続けていきたいと思います!。