文の種類は意外に重要
突然ですが、国語の文章の種類について、どれくらい知っていますか。
例えば、“論説文と説明文と随筆文の違いは?”と聞かれて、答えられますか。
入試では“小説系の文”と“小難しい系”の文の2種類が出題されていることは知っている。
でも、さらに細かい分類については知らないし、“知る必要もない”と考えている方が多いのではないでしょうか。
ところがです!
文の種類を知っているかどうかは意外に大きい。
文を読むときの“基本姿勢”や“着眼点”にそのまま直結してきます。
そのため、決して無意味な知識というわけではないのです。
そこで今回、正しく文を読むための基礎知識として“文の種類”についてお話します。
論理的文章と文学的文章
国語の文章(現代文)は大きくまずこの2つに分けられます。
論理的文章というのが、先ほど“小難しい系”と表現した文のことで、文学的文章が“小説系の文”のことです。
ここまでは大丈夫だと思います。
問題はここから。
冒頭で質問しました、論説文と説明文と随筆文の違いについて。
これらはすべて論理的文章に含まれます。
論説文や説明文などは、“言い方が違うだけで内容は同じじゃない?”と思いがちですが、実は明確な違いがあります。
具体的に言うと
まず、3つの文すべてに共通しているのが、“事実をもとに書かれた文章”ということです。
論説文にしても説明文にしても随筆文にしても、根底にあるのは、“事実をもとにしている”ということ。
これが大きな“大前提”です。
そしてここから細かい違いについて見ていきます。
論説文と説明文の違い
どちらも一つのテーマに対して書かれた文章ですが、大きな違いが一つあります。
それは筆者の“主張”や“意見”があるかどうか。
論説文はテーマに対して筆者の考えや主張が論理的に展開されます。
それに対して説明文は、単なる事実の説明であって、そこに筆者の考えや意見は含まれません。
いわゆる“取り扱い説明書”のようなイメージです。
随筆文はどうか
さらにもう一つ、随筆文。
これも事実に基づいて書かれているのは同じですが、そこに筆者が“感じたこと”がプラスされています。
しかし、これは論説文と違って、明確な根拠などは必要としない感想レベルのものです。
結論
このように、一見似たようなタイプの文章でも、実は大きな違いがあります。
しかも、その違いをしっかり押さえているかどうかが、文章の読解に大きく影響してきます。
読解力アップのためには、まず“文の種類と特徴を押さえる”。
これが大切です。
しかし、それだけでは実際に問題を解くうえで、まだ弱いのも事実です。
そこで次回、文の違いを理解した上での問題を解くときの“コツ”について紹介させていただきます。