前回の記事に引き続き、今回は文学的文章についてです。
文学的文章とは
簡単に言えば小説のような“物語文”のことで、論理的文章に比べて“読みやすい”という印象を持つ生徒が多いように思います。
しかし、そこが“落とし穴”。
読みやすい文章だからと言って、簡単というわけではありません。
現に文学的文章の得点が安定せず、悩んでいる生徒も多い。
そんな状況から1つの疑問が生まれます。
文学的文章は、“読みやすい”という印象の割には、なぜ得点が安定しないのか。
そこには登上人物の“感情”や“心情”を読み取るという、文学的文章ならではの“難しさ”があります。
要するに読み進めていく中で、ついつい“感情移入”してしまう。
これが安定して点を取ることの“妨げ”になっているのです。
そこで今日は、その“妨げ”を回避するにあたって、文学的文章を読むときに“意識すること”についてお話させていただきます。
文学的文章の特徴について
入試で出題される文学的文章は、基本的には小説などの書籍の一部が抜粋されたものです。
そのため、前後の内容がわからないことが多いので、唐突な印象を持つことも少なくありません。
そこで、出来るだけ早い段階で、物語の大まかな流れを掴むことが求められます。
流れを掴むために必要なこと
文学的文章は作者の創り出した“世界”です。
その世界は“いつ”、“どこ”で“だれ”が出てくる話なのか。
舞台設定を正確に掴まなくてはいけない。
そのためには、時を表す語、場所を表す語、登場人物について特に注意して読み進めましょう。
登場人物の“呼び方”にも注意
登場人物を把握する時に注意しなければいけないことが一つ。
それは人物の“呼び方”です。
ある場面では“苗字”で呼ばれていた人が、別の場面では“あだ名”で呼ばれたりしていることがあります。
ここはしっかり注意しておかないと、同一人物を別人としてカウントしてしまい、メチャクチャな読み間違いにつながるかもしれません。
感情や心情を表す部分に着目
最後に、最も重要なのが登場人物の“感情”や“心情”を読み取ることです。
文学的文章の問題では、場面ごとの登場人物の“気持ち”を問われることが非常に多い。
そのため、直接的に人の“感情”や“心情”を表す表現はもちろんのこと、行動や言動など間接的にその人の“感情”や“心情”を表す表現にも注意を払う必要がある。
自身の感情は交えず、本文に書いてあることだけを“情報”として、問題を解く“判断材料”にしていきましょう。
結論
文学的文章の読解の難しさは、読み進めるうちに良くも悪くも感情移入してしまいやすいところにあります。
それが“読みやすい”と感じる割に、なかなか安定した点数を取れない最大の要因です。
“読みやすい文章”と思ったときほど、いったん深呼吸することを心がけてください。
冷静かつ客観的に、本文に書いてあることからのみ、判断していくことを習慣づけてください。
決して“自分なりの解釈”を差し挟まないこと。
そうすれば、得点は安定してくるはずです!。