“問題集にある基本問題は、バッチリ解けるようになった。ある程度の知識もあるはず”。
それなのに応用問題となると“サッパリ手が出ない”。
こんな状況に直面してはいませんか!?
そして、“ここが自分の学力の限界なのかなぁ”なんて思ったりしていませんか!?
それは“非常にモッタイナイ”。
でも、“基礎というモノの捉え方”を誤り、間違った状態なのにそれが身についたと“錯覚している”状況では、そうなるのも無理ありません。
そこで今回、“基礎と応用の間にある高い壁”を“いかにして越えるのか”ということについて、お話します。
“基礎の捉え方”
応用問題が解けない時、決まって言われるセリフが“基礎を見直せ”だと思います。
しかし、大前提として大部分の生徒達の頭の中には、“基礎=簡単な問題”という意識があります。
そのため、まずはこの認識の誤りを正さなければ”基礎を見直そうが、反復練習を繰り返そうが、たいして効果を期待することは出来ません”。
では“基礎とは何か”
基礎とは、物事を成り立たせる根っこの部分。すなわち“根幹”です。
だから反復練習をする前に、“根本原理の理解に努めることが先”なのです。
具体例を挙げてみると
例えば図形が苦手で、難しい問題になったら、全く“ワカラナイ”という生徒に、以下のような質問をしたとします。
(質問①)二等辺三角形の性質は?
(質問②)平行四辺形の性質は?
こういったことを聞くと、即答出来ないことが非常に多い。
ですが、これらは詳しくは中学2年で、“触れている”という意味では、小学校の間でも半分は出てきている、と言えるような“基礎知識”に過ぎないモノなんです。
なぜ“分かっていたはずの基礎”に答えられないのか
上記の二等辺三角形の性質は2つ、平行四辺形の性質は3つあります。
〈二等辺三角形の性質〉
①二等辺三角形の底角は等しい
②二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分する
〈平行四辺形の性質〉
①2組の対辺はそれぞれ等しい
②2組の対角はそれぞれ等しい
③対角線はそれぞれの中点で交わる
問題なのは、これらの知識を“使うという意識”が足りないこと、もっと言えば“使い方を知らない”ことが一番の原因です。
単に覚えたことで満足してしまっているから、肝心なところで“すぐに出てこない”のです。
実際に“知識を使いこなすことが出来る人”の頭の中
簡単な問題と難しい問題の違いは、“解法に気づきやすい作りかどうか”という点にあるのです。
難しい問題は、解法に気づきにくい作りにしているだけで、決して特別な知識を使って解くわけではないのです。
つまり、ここがポイント!です。
実際に知識を使うことが出来る人は、“気づく”という感覚ではなく、自分たちが持っている知識が使える場面を“作り出す”という考え方をしているのです。
具体的に言うと
例えば、ここが二等辺三角形だったら、“突破口が開けるのになぁ”という場面があったとします。
ここで“底角が等しければ二等辺三角形と言える”という性質を思い出します。
すると次に、“等しい底角”を作るために別の知識、例えば与えられた図形が平行四辺形であれば、その性質を利用したりして、等しくなる角がないかを探していきます。
こんな風に“知識を使う人”は、持っている知識をパズルのピースのようにして、組み合わせながら、それが使える場面を“自ら作りだそう”として行くのです。
結論
難しい問題になればなるほど、すぐに解法が見つかる(言いかえれば、知識が直接使える)ような作りにはなっていません。
“ここがこうならなぁ”。
あそこが、ああなっていればなぁ”。
そう思いながら“どの知識が使えるか”ということを、パズルのような感覚で絶えず考えています。
“基礎と応用の間”に壁を感じている生徒は、この感覚が“非常に貧しい”のです。
いつもいつも、“自分に都合の良いように知識が使える問題ばかりではない”。
このことを決して忘れず、常に意識しながら問題に取り組む癖をつければ、必ず“壁は突破”出来ます。
そのことを信じて頑張ってください!。