平安時代の“つかみ”(地理・歴史シリーズ⑬)

先週に引き続き、今週は平安時代の“つかみ”になります。

税の重さに耐えかね、与えられた田んぼを放って逃げ出す人々が現れ始めた奈良時代。

国民から納められた税で運営を成り立たせている国としては、見過ごすわけにはいきません。

そこで、人々のモチベーションを上げるべく、ある一つの“ルール”を作ったというところまで、お話していました。

今回は、その“ルール”がもたらした結果とは、“どのようなものだったのか”

そこに焦点を当てた“つかみ”を紹介させていただきます。

モチベーションを上げることの難しさ

勉強しない我が子のモチベーションをあげるのは、“とても難しい”

保護者の方々も一度は経験したことがあると思います。

そのくらい、やる気のない人を動かすのは、難しいということ。

それは、昔も今も変わりません。

そこで、当時の人はこの状況で、“どのようにしてモチベーションを上げようとしたのか”

まづは、生徒の皆さんにそれを考えてもらうことがポイントになります。

そうすることで次の展開に入ったとき、より内容が頭に残りやすくなるはずです。

自分の“土地”を持つチャンスが生まれる

では、ここからが本題。

国はこの状況で、“どうしたのか”

結論から言いますと、“墾田永年私財法”というルールを作ってしまいます。

これは読んで字のごとく、自分たちで新たに開墾した土地であれば、“永久に自分たちのものににして良いよ”というもの。

ん??となりませんか。

たしかに、これで人々のモチベーションは上がるかもしれない。

けど、これでは、せっかく国が土地を管理するというやり方に切り替えたのに、国の持ち物ではない“個人の土地”が増えてしまうことになります。

これでは、元の状態に逆戻り。

これが、人のモチベーションを上げることの難しさです。

うかつに相手に歩み寄ろうとすれば、結局は自分たちの首を絞めることになってしまいます。

では、ここからどうなっていくのか。

ここでまた、生徒の皆さんに想像してもらいましょう。

手にした土地を“どうするか”

“元の状態に戻ってしまった”ということは、また“土地の奪い合い”が始まるということです。

でも、せっかく苦労して手に入れた自分たちの“土地”、簡単に手放したくはありません。

そこで、腕っ節に自信のない貴族たちは、自分たちの身内に武芸を習わせて備えることにします。

そうです。

これが“武士”の誕生につながる最初の段階となるのです。

結論

モチベーションを上げるつもりが一転、逆戻りを起こす“きっかけ”となってしまった今回の出来事。

しかし、モチベーションを上げることの難しさ、モチベーションが上がった人々の動き方など、“今と変わらない人間の思考”がここでも垣間見えました。

そこを“つかみ”として、頑張ってみてください!

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