シリーズ11回目となる今回のテーマは、“化学変化”について。
中学1年までは何とかギリギリ耐えられた理科嫌いな生徒も、ここで脱落してしまうことは少なくありません。
そのくらい、苦手な生徒たちからすれば、“何をやっているのか分からない”という印象のはずです。
そこで今回は、そんな“化学変化”に対するハードルを下げられるだけ下げたいと思います。
入り口で“どう思わせるか”が勝負
“水素と酸素が化合することで水ができる”。
化学変化の中でも基本中の基本となる内容ですが、ここでもう“ストップ!”。
当たり前のように話を進めてしまいがちなところですが、苦手な生徒は既にここで“つまずいています”。
“水素とは何か”、“酸素と二酸化炭素、どっちを吸って、どっちを吐くんだったか”など、“化学変化”以前のところで多くの疑問を抱えています。
そんな状態で話を進め、あれを覚えろ、これを覚えろと言っても、絵に描いた餅です。
そこで、本題に入る前に、もう少し身構える生徒の気持ちをほぐしていきましょう。
身近な“もの”に置き換えて、ハードルを下げる
化学の学習をしているからといって、化学の話だけで授業をしなくてはいけないわけではありません。
どうしても苦手意識の強い生徒には、身近な“もの”に置き換えてハードルを下げます。
化学変化の中でも化合はいくつかの物質が組み合わさって、一つの物質になる変化のことでした。
これをいきなり化学の話で進めるのではなく、例えば身近なラーメン作りに置き換えてみます。
今回は“たとえ”なのでシンプルなもので考えてみると、
スープ、麺、チャーシュー、メンマを用意したとします。
当然ですがスープだけとか、チャーシュー自体を“ラーメンとは言いませんよね”。
これらの具材を決められた量ずつ組合わせて一つにすることで、はじめてラーメンという食べ物が完成します。
“化学変化も、要はこれと同じ”です。
ラーメン作りにおける具材の部分が、水素や酸素に変わっただけで、仕組み自体は変わりません。
覚えるべきことは“覚える”
ただし、これはあくまで“仕組みの話”。
入り口のところでつまずかないために使う“たとえ話”です。
最初の入り口を突破出来た後は、化学式や化学反応式など、覚えるべきことは“しっかり覚えるようにしましょう”。
そうでなければ結局、“問題を解くことは出来ません”。
結論
苦手と思っていた内容でも、一つ“きっかけ”を掴むことで、意外にあっさりと克服できる時があります。
今回の記事が、その“きっかけ”となるものであればと思います。