何をしたら良いのか分からない
定期テスト前の大事な時期。聞いた周りの人が「そんなはずナイヤロ~!」と、突っ込みたくなるようなことを、シレッと言う生徒がチョクチョクいます。
「先生、することがない」と。
毎回、全教科100点を採るような神童クラスの生徒のセリフです。
でも、そんなことを言ってくる生徒は神童とは対極にいる生徒です。保護者泣かせのとっても成績の悪い生徒。
でも、そのセリフを聞いてお母さん、お父さんは、「ふざけるんじゃない!」なんて怒ったりしては、いけません。
当の本人は決してふざけているわけじゃありません。
そのセリフを口にした彼や彼女は、「何をしたら良いのか、分からない」のです。
「何をしたら良いのか分からない」=「することがない」っていう思考になっているのです。
ただ、そういう思考の流れなのかって分かったあとが問題です。
「何をしたら良いのか分からない」ことを、「することがない」って表現してしまうような生徒です。
いきなり「ああしろ」、「こうしろ」とやみくもに指示しても、彼や彼女の成長に全くつながりません。
「ではどうするか」が、今日のお話です。
成長には「急がば回れ」の気持ちで
学習の効果をしっかり挙げるには、「計画」が必要です。
定期テスト前の試験勉強のように短期のものでも「学習計画」は必要です。
まして高校入試に向けた長期の受験勉強には「学習計画」の質は、その結果を大きく左右することは、間違いありません。
「質の高い学習計画とは」
質の高い学習計画とは、決して時間を細かくスケジューリングしたものでは有りません。
大事なのは、優先順位が正しくにつけられていて、時間をかけるところとかけないところが明確になっている。
そして、それに基づいて時間が合理的に割り振られている計画のことです。
計画を立てる=優先順位をつける
以前のブログ学習塾の先生版「時は金なり」でも書いた通り、時間はお金と同じです。
手持ちが決まっていて、使えばなくなる。
限られたものだけに、チョットむだ遣いすると、すぐに無くなります。それだけに何にどれだけ使うか。
それを正しく判断するために優先順位をつける必要があるのです。
優先順位をつけるために必要な力
現状、自分は何が得意で、何が苦手なのか。
何が出来ていて、何が出来ていないのか。
これが分かっていないと、優先順位はつけられません。
ところが、「先生、することがない」という生徒。
言い換えれば、何をしたらいいのか分からないという生徒に「今、何が出来てる、何が出来てない」と聞くと、「全部、出来てへん」みたいな、いい加減な返事が返ってきます。
現状、そのレベルの生徒に場当たり的な指示をいくら出しても、その生徒の学力は伸びません。
ここが「急がば回れ」なのです。
将来の高校入試に成功するために、自力で「学習計画」を立て、自分の意思でそれを進める。
そのために今、しっかり「何が出来ていて何が出来ていないのか」。
じっくり聞いてあげてください。
「全部出来てへん」ていう声が返ってきても、がっかりしたり、まして怒ったりしてはいけません。
決してここで目先の成績に惑わされず、生徒自身で自分の現状を分析して、それに基づいて優先順位をつけ、学習計画を立てる。
これを今から始めれば、生徒にとって大きな財産になります。
間違いなく高校受験の成功に、大きな可能性が生まれます。頑張ってください。