語彙力がもたらす3つのこと

語彙力の大切さ

近頃、英語の学習において語彙力の大切さを聞く機会は多い。

それに引き換え、母国語である日本語の語彙力に対する大切さは、触れられる機会が減ってきているように思います。

これはとても危険な傾向です。

日本語の語彙力は、すべての学習に通じる根幹なのですから。

この語彙力というもの無くして、個々の教科の学習の質を高めることは困難です。

そこで今回、警鐘をならす意味を込めて、語彙力のある人と無い人の間に生まれる3つの違いについて、お話しします。

語彙力が貧しいために損なわれる3つの力

①思考力・・・人は言葉でものを考えている。語彙力が貧しいということは、思考力もそれに比例して乏しいということを意味しています。

例えば、子供が成長して社会人になったとき、会社で仕事するなかで上司に「頭を使え」って言われる場面があったとしたら。

「頭を使う」ってことは考えること。

最初、言ったように「人は言葉で考える」となると、言葉を知らない、語彙力が貧しいってことは、「頭を使おうにも使えない」ってこと。

これでは、上司に言われたことを聞く気があっても聞く気がないのと同じ結果になる、という悲惨なことに。

コワイでしょう! 言葉(語彙力)が貧しいってことは。

②理解力・・・語彙力が貧しいと文章を読んだときや人の話を聞いたとき、満足に理解出来ないことが多くなる。

例えば今、語彙力が貧しいために教科書を読んだり、先生の説明を聞いたりしても理解出来ないことが多い。

これを何とも出来ないまま大人になって就職すると、会社の書類や資料を読んでも理解出来ない。会議で周りの人の話を聞いても分からないっていう悲惨なことに。

コワイでしょう! 言葉(語彙力)が貧しいってことは。

③伝える力・・・人に自分の思いや考えを伝えたいとき、言葉足らずになってその時々の微妙なニュアンスを上手く伝えられない。その結果、悪くすると意図せず誤解が生まれてしまうことが起こり得る。

例えば、中3生の授業中に行われたグループディスカッション。ここでアピールして内申点評価につなげたいところ。

今日のテーマにチョッピリ自信のある意見を口にし始めたにもかかわらず、語彙力のなさが顔を出す。適切な言葉選びが出来ないために言いたい意見が周りの生徒に伝わらず、アピール失敗。

これは社会人として会社勤めの中でもよくあること。社内、社外を問わず、自分のアイデアや売りたい商品があってもアピール出来ない。伝える(アピール)のに必要なのは言葉。それが貧しいために伝わら(アピール出来)ない。結果は社内の評価、社外の売り上げ成績、さっぱり上がらないって悲惨なことに。

コワイでしょう! 言葉(語彙力)が貧しいってことは。

語彙力の貧しさがもたらす、学習上や受験勉強への影響

ここで、この「コワイ!」語彙力の貧しさから生まれる学習上の影響、受験勉強への影響を具体的に見ていきたいと思います。

近年、入試問題は単なる暗記だけでは乗り切れない、いわゆる思考力重視のものにシフトしています。

過去の単純な選択問題ではない、身につけた知識をもとに思考し、自分の考えを筋道立てて述べるといった力の有無が試されます。

一方で、分からない問題の解答解説を読むとき、学校や塾で先生の説明を聞くときなど、理解力が乏しいとなかなか学習がはかどらない。これは大きな時間のロスです。

時間に限りのある受験勉強では、このロスは命取りになりかねません。

さらに入試問題から見た場合、年々問題量が各教科共に増えています。これに対応するには、瞬時に問題内容を把握し、取り組む力が必要です。

ここでも、文章を読んで理解する力(言い換えれば語彙力)が低いと致命傷になります。

結論

このように、日本語の語彙力の貧しさは“単に言葉を知らない奴”というだけに止まりません。すべての教科の学習に関わってくるのです。

個々の教科に対する学習の質を高めるには、まず日本語の“語彙力を鍛えること”。

そのためには、“本を読むこと”が必要です。1日の生活のなかに30分でも良いですから本を読む時間を取ってください。

この読書習慣は学校の成績アップ、高校受験の成功に止まりません。上記で冗談のように言ってる社会人になってからの“悲惨なこと”を回避して、一生の財産を子供さんにもたらします。

ここでも“急がば回れ!” がんばってください。

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