”捨てる”とは前向きな言葉
テスト前、子供たちの会話からよく聞こえてくる「今回はこの教科“捨てよかな”」あるいは「この単元“捨てよかな”」という言葉。
子供たちはわりあい簡単にこの“捨てる”という言葉を口にします。
ところがです!
仮にこちら側からこの部分は今回“捨てよか”と聞いてみると、不思議なくらい皆一様に、少し不安そうな顔をします。
やはりどの子も“捨てた”範囲から出題されたらどうしょうと瞬間的に思うのか、日頃から大してヤル気の見えない子でさえ、こう言われると一瞬、動きが止まります。
なんだかんだ言っても、そんな子たちにはまだ、希望が持てます。
しかし、以前のブログでもお話したようにテストは本来、満点を取らせないように作られています。
その観点から考えた場合、ある程度は戦略的に“捨てる”という部分が存在するのは事実です。
そんな時です!
先ほどの例からみても、子供たちは根っこの部分で真面目であることが多い。
“捨てる”という表現に、少なからず不安を感じる子も少なくないと思います。
けれども時間は有限なのです。
やるべきことを全てやりきった上でテストに臨むなんてことは、ほとんどの子供たちにとって無理なことです。
そこで今回、、いざ、そういう場面が来たときに、戦略的に判断出来るようになるためにも、
“捨てる”という言葉の本当の意味について、お話します。
なぜ人から言われた“捨てる”という言葉に不安を感じるのか。
それはズバリ、そこに戦略的な考えがないからです。
自分の中に“戦略的に考えた上での判断”という感覚が無く、単に博打のように“捨てる”という判断を行っているところに、その原因があると思います。
つまり、好きとか嫌いとか、出来そうとか出来なさそうとかっていう観点から“捨てる”という判断をしているうちは、それこそ博打のレベル(戦略的ではないという意味)です。
それでは、その“捨てた”部分が出たらどうしょうと不安に感じるのは当然です。
かといって不安に感じるあまり、無計画にあれもこれもなんてことをしてると自滅します。
とてもじゃないけど時間が足りない。
戦略的に“捨てる”ためには
ここで重要になるのが、目標点がはっきりしていること。
勉強が苦手な子ほど、目標点をはっきり決めていない。それでは、いざどこかを削るとなると「もし出たら不安症候群」にとらわれて、それを思い切って出来ないことが多い。
そうならないためには、まず目標点をはっきり設定すること。それさえ出来たら、あとはそこに到達させるために、逆算するだけ。
例えば平均点(だいたい60点くらい)を目指す子であれば、成績上位の子でも苦労するような応用問題は、ハナから手を出さない。
これだけのことで無駄な時間を消費することなく、不安感を持つことも無い。
堂々と“捨てる”ことが出来るのです。
結論
入試であれ、定期テストであれ、目標点からの逆算という観点をどれだけ意識出来るかが勝負の分かれ目です。
その意識さえ定着すれば、堂々と“捨てる”という行為が出来るようになります。
そのためにも、目標点を高すぎず低すぎず、正しく設定することを身につけてください。
まずは定期テストでそのセンスを磨いて、それを入試に向けた受験勉強に活かしてください。
目標点を正しく設定して、戦略的にそこに到達する。その訓練と経験は将来、高校入試や大学入試だけでなく、社会人になっても大きな財産になります。
頑張ってください!!!