中学生と時事ニュース
最近の生徒たちを見ていて思うことの一つ。
以前から歴史が苦手(あるいは嫌い)と言う生徒が少なくないという印象に加えて最近、現在の世の中の出来事に疎すぎる生徒が増えたような気がする。
世間の“流行”には敏感。
でも、時事的な話になるとまるで関心を示さず、“興味がない”の一点張り。むろんニュースも見ない。
“それでは将来困るよ”という親の声にも、まるで聞く耳を持たない、なんてことも多いのでは
ないでしょうか。
そんな中学生の状況を危惧してのことでしょうか。
現在の中学校社会科の定期テスト問題で、5問から10問程度の時事問題を、毎回出題しているところがほとんどだと思います。
それにもかかわらず当人たちの様子は、となると心細いものです。
10点くらいの配点なら捨ててもいいか、と言わんばかりの対応をしている生徒も少なくありません。
確かに定期テストの社会科で10点くらいなら、そこまで痛くないかもしれません。
世の中の事に多少疎くても、学生の間は特に不都合を感じることもないかも。
そう考えると”なら、いいか”となっても不思議ではないかとも思います。
ところが!たとえ中学生の間であったとしても、“それでは困る”重大な問題があります。
そこで今回は、時事に疎いことが与える大きな影響についてお話します。
高校入試の問題は、世の中に起きている様々なことを取り入れながら、作成されることが多い。
それだけに、英語の長文や国語の現代文などの読解問題を解くときに、時事に疎いことが大きなマイナスにつながるのです。
今年の兵庫県公立高校入試の英語の長文問題では、今年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに絡めたユニバーサルデザインについての話題が出題されています。
予備知識としての時事ニュース
時事ニュースを多少なりとも見ていて、出題された本文内容に対して、ある程度の予備知識のある人とない人とでは、どういう差が生まれるか。
当然に文章内容の理解にかかる時間に圧倒的な差が生まれる。そして、その差は結果として問題を解くスピードに大きく影響してくるのです。
本文の内容を理解するために必要な予備知識がない生徒は、読解以前のトコロに止まっているのです。
そうした生徒に文章の読み方や、速く読むコツをいくら話ても空回りするばかりで、ほとんど意味がありません。
このように予備知識の有無は、文章を読解するうえで重要な問題なんです。
ならばどうする
常にアンテナを張ること。
例えば、今年はコロナウィルスの感染拡大を受けて、未曾有の事態になりました。そこから来年の入試では、過去にあったウィルス感染を題材にした話や、ウィルス研究をしてきた医師や学者の話を題材とする長文が出題されるかもしれません。
結論
もし今、時事ニュースに対する自信がまるで持てていないのなら、すぐさま少しずつでもそれに触れる習慣を身につけてください。
間違っても以降、時事問題を社会科のみのものと捉えてはいけません。
時期が来た時に、まとめてかたづけることの出来ない分野です。日頃からコツコツと時事ニュースに触れる事を習慣化するよう、心がけてください。
その取り組みは将来、何かの折にきっとあなたの身を助けてくれるでしょう。