勝敗を左右する質問の“質”

授業の合間や最後に“質問のあるなし”を確認することはよくあることです。

そんな時、生徒達の様子を見ていて、いつも感じることがあります。

それが、質問は“すればいい”というわけではないということ。

生徒達からの質問というのは、学習の質を高めるものから、逆に下げてしまうものまで、様々にあるのです。

そして、それは時として勝敗にも大きく影響するもの。

そこで今回、勝敗を左右する質問の“質”についてお話します。

“結果を出すための質問”と“結果を気にするだけの質問”

“何にどれだけの時間を使うか”というような戦略的な質問は、結果を出すためには当然のように必要です。

しかし、“今回のテストで○○点だったらどうなるか”のように、終わった後の結果を気にするだけの質問は、これから結果を“出そうという状況”においては、全く意味がありません。

このように質問をする時は、“結果を出すために必要かどうか”という基準が、ある程度は必要です。

さらに深い理解につながる“きっかけ”となる質問

数学に出てくる公式などは、このパターンが非常に多い。

例えば、三角形の面積を求める公式、“底辺×高さ÷2。

なぜ、最後に2で割るのかと質問されたとしましょう。

“これは、はじめに同じ形をした三角形をもう一つ用意して、それをひっくり返してくっつけると、長方形や平行四辺形が出来るのです。”

つまり三角形は、底辺×高さの長方形もしくは平行四辺形の半分の面積になっている。

だから最後に、2で割るというわけです。

こんな風に、公式の“理屈や原理”を知ることは、さらに深い理解につながり、丸暗記のときよりも応用が利きます。

今、気にするべきではない“時間の浪費につながる質問”

 

好奇心旺盛なのは良いことですが、持ち時間に限りのある学生の間の勉強では、それを“コントロールする”必要があります。

例えば英語の勉強中、生徒からam、is、areは“なぜ、be動詞と呼ばれるのか”と質問されたとします。

これから書く、その質問に対する答をまずは読んでみてください。

『be動詞は、大昔に使われていた古英語で生まれたとされています。

西暦400年代に話されていた古英語では、今のam、is、areと同じ働きをする英語で、beo、bist、bipなどが使われていたそうです。

具体的には、主語が「私が(I)」の時はeomとbeo。

「あなたが(you)」の時は、eastとbist。

そして「彼が(he)」の時は、isとbipが、今で言うbe動詞として使われていました。

どれも「b」がついていたことから、そのあたりを取ってbe動詞と言われていたようです。』

この返答を聞いて、何を感じますか。

中学生にとってbe動詞と、その後に出てくる一般動詞の使い分けを理解することは、一番最初のハードルです。

でも、この段階において“be動詞と呼ばれる名前の由来”を掘り下げた質問が活きるでしょうか。

おそらく“活きることがない”のは言うまでもないのみならず、聞いた本人自身も“聞いたにもかかわらず、すぐに忘れる”典型的な質問だと思います。

これが今、気にすべきでない“時間の浪費につながる質問”なのです。

結論

このように、質問も“すればいい”というわけではなく、その内容は思っている以上に大切です。

“今、聞くべき質問かどうか”。

“聞いたことによって、それがプラスに働くかどうか”。

少しずつでも、こんなことを意識するようにしてください。

そのチョットした心がけ一つで、結果は大きく変わってくるはずです!。

 

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