“次のxとyの関係が比例なら○、反比例なら×をつけなさい”。
比例と反比例の学習で必ず目にするタイプの問題です。
小学生、中学生を問わず、この手の問題に対して“見分けがつかない”と嘆く生徒は非常に多い。
では、こんな時にどうするか!
関数に苦手意識を持つ生徒が多いのは言うまでもないですが、その原因は“この学習段階の初期にあるのではないか”と思っています。
そこで今回は、“比例と反比例”の学習における“最初の壁をいかに突破するか”について考えていきます。
機械的な解き方に頼らない
例えば、生徒に“比例と反比例の見分け方”を聞かれた時、ここで“xの値とyの値をかけた時にいつも同じ値になれば反比例”と答えたとしましょう。
おそらく、これを聞いた生徒たちは“大喜びでしょう”。
なにせ、てっとり早く“見抜ける方法”が聞けたのですから。
しかし、ここには“二つの落とし穴があります”。
一つは、根本の部分を理解せずに通り過ぎてしまうということ。
そして、もう一つが機械的な解き方に頼ることで“頭を使わなくなってしまう”ということです。
”根本の部分を理解していないと応用が利かない”とは、よく言います。
これは厳密に言うと、機械的な解き方に頼って頭を使わなくなってしまった結果、考えることを放棄してしまっているのが原因とも言えます。
では、どうするか。
例題と共に見ていきますので、比例か反比例かを考えてみてください。
例1)1冊100円のノートを買うときの冊数xと代金y
例2)6㎞を進むときの時速xとかかる時間y
考え方
解き方も大切ですが、まずは“問題文から内容を読み取る”ことを意識してみてください。
例1)の場合
1冊の値段が100円と決まっているので、買う冊数が増えるにつれて代金も同じような増え方をします。
つまり買う冊数が2倍になると、かかる代金も2倍になる。
だから“比例している”と判断できるのです。
例2)の場合
道のりは6㎞と決まっています。その道のりを進む速さが速くなればなるほど、かかる時間がどうなるかを考えてみてください。
当然、速いスピードで進めば進むほど、かかる時間は短くなります。
例えば、時速1㎞で進めば6時間かかりますが、時速2㎞にスピードアップすれば、かかる時間は“先ほどの半分の3時間になります。
一方の値が2倍になると、もう一方の値は1/2倍になる。
だから、“反比例している”と判断できるのです。
結論
問題を解くとき、答えを出すのが大切なのは言うまでもありませんが、それと同じくらい“理由が答えられる”のも大切なこと。
根本の理解がなければ、そうなる“理由”がハッキリしません。
そして理由を考えずに“解法に当てはめるだけの解き方”をしているうちに、“頭を使わない癖がついてしまいます”。
これが応用問題に苦戦する“理由”。
目先の変化に右往左往しないためにも、機械的な解き方に頼らず、“なぜそうなるのかを考える癖”をつけるようにしましょう。