雨や雪が降る“仕組み”(理科シリーズ⑥)

日常生活において、当たり前のように存在する“雨”や“雪”

ですが、その仕組みを説明し、理解してもらうのは、なかなか難しいことなんです。

その一番の理由は、これまでに学習してきたいくつかの知識を併用しているから(具体的には、“気圧”や“体積”“露点”などの話です)。

なので、前の部分が理解出来ていない状態で、ここだけを理解しようとするのは“無理があります”。

そこで今回は、雨や雪が降る仕組みを理解するための“ポイント”と、その“準備”についてお話します。

“要点”を知る

授業を聞く。

参考書を読む。

動画を見る。

色々ありますが、どれをやっても“なかなか理解出来ない”

そんな時は、その説明を理解するための“要点”を知る必要があります。

結局、何が分っていないから“理解出来ないのか”

これを無視した状態では、“時間ばかりかかってしまいます”。

そこで、生徒たちにいくつかの質問をしてみます。

Q1)“なぜ、空気は温められると膨張するのか”

Q2)“なぜ、暖かい空気は上に上がっていくのか”

Q3)“雲の正体は何か”

これらの質問に答えるには、過去に学習した“気圧”や“体積”、“露点”などの知識を理解していることが不可欠です。

ただ、逆に言えば、それさえ理解できていれば、“雨や雪が降る仕組み”を理解するのは難しいことではありません。

“要点”だけを押さえる

それでは、Q1~3の質問に対する答えを手短にまとめます。

A1)物質は、原子や分子という小さい粒が集まって出来ており、その粒の動き方で“固体”、“液体”、“気体”というように、“物質の状態”が変わります。

そして、この粒の動きは温められると“激しく動く”ようになり、お互いにぶつかり合って、粒どうしの間隔が広がります。

これによって、物質の体積が増えるのです。

A2)そして、体積が大きくなると“密度が小さくなり”、密度が小さくなると“軽くなります”。

その結果、軽くなった空気は上に上がっていきます。(上昇気流)

A3)上空では気圧が下がり、空気は膨張して温度が下がります。

それによって、それまで見えない形で存在していた水蒸気が空気中の“ちり”などの周りに集まり、水滴や氷の結晶となって現われる。

これが、“雲の正体”です。

そして、それが大きく、重くなって、雨や雪として落ちてくるというわけです。

最後にまとめる

一見すると3つの質問に対して個々に答えているだけのように見えますが、3つの答えをつなぎ合わせると、“雨や雪の降る仕組み”の説明になっているのを感じていただけたでしょうか。

“要点”を押さえていれば、自然と正しい理解に行きつくということです。

もし“気圧”や“体積”、”露点”といった知識に不安のある方は、以前の記事である

水滴はどこから?(理科シリーズ①

積・密度・質量の関係(理科シリーズ④)

イメージで掴む“気圧”

を参考にしてみてください。

結論

今回は、これまでのような“置き換え”ではなく、“要点”を意識して書かせていただきました。

理科に限った話ではありませんが、過去に学習した知識が合わせ技のようにして出てくることはよくあります。

そんな時は、目先の説明を理解しようとする前に、過去に学習した知識の理解不足が妨げになっていないかを確認するのが先です。

今回の記事がその参考になればと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA